大学院入試の対策について
こんにちは。
今日は大学院の入試について書きたいと思います。
みなさんご想像の通り、大学の入試と大学院のそれはまったく違います。
大学入試ではお馴染みのセンター試験や二次試験のように、国語・数学・英語・社会・・・といった教科の試験は、大学院入試にはありません(語学は除く)。
これはあくまで、文系(哲学系)の大学院入試に限る話ですが、私は院試の際、受験したのは英語と専門分野の筆記試験、そして二次試験としての面接でした。
私は正確に言うと、社会科学系の研究科の中では哲学思想系の研究をするコースに入りましたので、一応くくりとしては社会科学になります。
なので、文学研究科のようにゴリゴリの語学(英語のほかにドイツ語やフランス語を課す試験)は勉強せずに済みました。
(結局入学してから、独仏羅希は基本文法がわかる程度には勉強したのですが…)
さて、その英語の試験ですが、これも単語の意味やら発音の問題やら、そんなセンター試験のような問題ではありません。
院試の英語試験は、長文の全訳、これです。
私の場合は、たしか2時間で3つの長文の中から2つを選んで訳せ、という問題だったと思います。一問の分量はA4用紙で1ページくらいでしょうか。
まあ、研究の道に進もうというひとであれば、学部生の時点から英語論文を読んでいることは前提ですし、入学後にはいやおうなく英語文献を読むのですから、解けて当然というものでしょう。
なので、院試の英語対策は、実のところ「毎日一本でも英語論文を読むこと」あるいは「毎日少しでも英語論文を翻訳すること」です。
これは例えば、卒業論文で使えるであろう英語論文を読むついでに翻訳まで作ってしまうというノリで、どんどん読んでいけば間違いなく院試合格レベルの語学力がつくものです。
翻訳する際には、英単語の正しい意味、文法の正しい取り方、そして英語を日本語に訳す際の難しさを体験することになるのですが、それに真摯に取り組むことさえできれば、院試レベルの英語など簡単に翻訳することができます。
さて、院試にはもう一つ受験するものがあります。
「専門分野の試験」です。
この対策としては、大きく2つの段階が考えられます。
まず、第一にその分野の教科書を読むこと。
第二に、その分野のより専門的な文献を読むこと。
第一の点は言わずもがなでしょう。
例えば有斐閣アルマという出版社から出ている教科書的なシリーズは、かなり細かい区分があり、必ず受験する分野のものが出ているはずです。
有斐閣以外にも、その分野の教科書となるものは必ず出ているはずなので、まずはそれらを集めて片っ端から読み、基本的な知識をつけること。
いうなれば、その分野の大雑把な地図を描くことです。
教科書は少なくても3冊は読み込みましょう。
著者によって考え方が異なるため、教科書は多ければ多いほどよいです。
さてこの段階が終われば、第二段階としてさらに専門的な文献を読む段階になります。
もっとも分かりやすいのは、自分が受験する大学に属している先生が書いた著作や論文を読むことです。
しかも、できるだけ「最近の関心」が何にあるのか、という点に焦点を絞ることが重要です。
というのも、出題する先生の側は、基本的には自分の関心に沿った問題しか作らないからです。笑
なので、その先生の主著と目されるものと、最新の論文、これだけは少なくとも読んでおくべきだと言えるでしょう。
おそらく、その作業を進めていくと、先生が所属する学会がどんなことをやっているのか、研究テーマはこの学会で合っているのかなどが、徐々に見えてくると思います。
そこまで見えてきたら勉強がかなり進んでいる証です。
そしてこれら筆記試験が終わると、次に待っているのは面接です。
面接では研究テーマや志望動機を聞かれますが、もっとも大事なことは、論理的に落ち着いて話すことです。
変に緊張すると受け答えがしどろもどろになって印象が悪くなり、逆に早口でまくし立てて自分の主義主張を語っても印象が悪くなります。自分は優秀であるということをアピールするのではなく、自分がこの研究をこの大学院で行うだけの理由があるのだということを説明しましょう。
面接において最も大切なことは、「なぜ自分はこの大学院のこのコースでなければならないのか」「なぜ自分はこの研究テーマを選んだのか」などを、論理的に落ち着いて伝えることです。
そのためのイメージトレーニングさえ行っていれば、かならず面接には通ります。
そうすれば、晴れてあなたは大学院生!というわけです。
とはいえ、大学院にはさまざまに種類があり、その数だけ、独自の院試があります。
まずは自分が受けたいと思う大学院を選んで、その過去の問題があれば取り寄せること。
その問題が自分の興味関心に近ければ、それはあなたが受験すべき大学院です。
ここまで書いてきてなんですが、結局最後に重要なのは、研究に対する情熱を持っているかどうかです。
情熱があれば、英語論文は日頃から読んでいるし、専門分野の勉強も欠かさないし、自分の研究について考え抜いて論理的に説明することもできるはずです。
自分のやりたい研究を思い切りやる。
そのための大学院なのですから。
この記事が院試対策の参考になれば幸いです。
それでは。