研究日和

とある大学で研究している大学院生です。日々の研究の話、読んだ本の話などをつらつらと書いています。

本の感想

他者たちと共に、街角で結集する諸身体――ジュディス・バトラー『アセンブリ』

昨年、といっても、およそ2年前に日本語訳が出版された、ジュディス・バトラーの『アセンブリ』ですが、その原著は2015年に出版されました。 アセンブリ 行為遂行性・複数性・政治 [ ジュディス・バトラー ] 価格:3,080円(2019/12/3 17:14時点)感想(0件) な…

ポピュリズム論の二面性、あるいは政治と芸術の緊張関係について――シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』

こんにちは。 今回は昨今話題のポピュリズムについて、現代政治思想の重要人物の一人、シャンタル・ムフの『左派ポピュリズムのために』を紹介します。 ムフといえば、パートナーのエルンスト・ラクラウとの共著『民主主義の革命』(原題はHegemony and Soci…

映画と政治――岡田温司『アガンベンの身振り』

こんにちは。 今日は岡田温司先生の『アガンベンの身振り』という本の紹介をしたいと思います。 岡田先生は、京都大学の先生で、専門は西洋美術史。 御著書の多くも美学関係のものが多く、岩波新書の『デスマスク』など非常に興味深い本をものしている方です…